【妄想】かぐらスキー場のリフト更新整理案

架空索道

2025/5/6
【妄想】かぐらスキー場のリフト更新整理案


ハイライト

かぐらスキー場の現状の課題を洗い出し,その課題を解決させるような架け替え案を勝手に考えたものを記事にします。

[目次]
1.かぐらスキー場の特徴▼
2.かぐらスキー場の課題▼
(1)かぐらエリアへのアクセスの悪さ▼
(2)下山時の混雑▼
(3)リフトの老朽化▼
3.課題を解決するリフト架替案▼
4.まとめ▼

1. かぐらスキー場の特徴

かぐらスキー場の一番の特徴は,雪質のよさとシーズンの長さにあると思います。私もかなり好きなスキー場で毎年訪れています。
そんなロングシーズン楽しめるかぐらスキー場は,みつまたエリア・田代エリア・かぐらエリアの3つのエリアに分かれています。
それぞれの特徴は下記になります。
・みつまたエリア
山麓のみつまた駐車場よりロープウェイで上がった箇所にあるかぐらスキー場の玄関口に位置します。標高はスキー場内では比較的低いため5月になると滑走できないこともあります。
・田代エリア
田代駐車場および苗場スキー場からの玄関口になっています。初級者向けコースが多いですが,標高も高くGWまで滑走が楽しめる景色が美しいエリアです。
・かぐらエリア
かぐらスキー場のメインゲレンデで,緩斜面主体のかぐらスキー場内で最も滑り応えがあるエリアです。3つのエリア内で最も標高が高いため5月中旬まで滑走が楽しめます。

▲かぐらメインゲレンデ
▲美しい田代湖
▲エリア

2. かぐらスキー場の課題

日本のスキー場の中でトップクラスのロングシーズンで楽しませてくれるかぐらスキー場ですが,大きく3点ほど課題があると考えています。

(1)かぐらエリアへのアクセスの悪さ
スキー場のメインであるかぐらエリアへのアクセスは,3本のリフトを乗り継いでいく必要があります。個人的には多くのリフトに乗車でき冒険感があるため好きですが,そんな変態な方は少なく普通の利用者としてはリフト一本でかぐらエリアに行くことが理想と考えます。なお,現状かぐらエリアまでの移動所要時間は30~60分程度もかかってしまいます。
【現在のかぐらエリアへのアクセス】
・登行時:みつまたロープウェーみつまた第1高速かぐらゴンドラ
・下山時:かぐらゴンドラorゴンドラコース⇒みつまた第2or第3ロマンス⇒みつまたゲレンデ⇒みつまたロープウェーor下山コース

ちなみに,かぐらエリアへのアクセスは,スキー場開業時からこのアクセス方法だったわけではなく1988年のかぐらゴンドラ開業に伴って飛躍的に向上しています。ゴンドラ建設前は3本のシングルリフトに乗ってようやく到達する秘境ゲレンデでした。

(2)下山時の混雑
かぐらエリアから駐車場へ戻る下山時にもリフトに乗車する必要があるため,下山時にリフト乗車待ちが発生するケースがあります。ネックポイントは2か所で,みつまた第2,3ロマンス乗り場とみつまたロープウェー下り線乗り場です。特にみつまたロープウェー下り線は,ゲレンデから駐車場まで下山コースが解放されている場合は,ロープウェイを使わずに下山が可能ですが,かぐらスキー場に人が集中するシーズン初めや4月5月は下山コースが閉鎖されているので,ロープウェイ下り線が非常に混雑します。ひどいときには,下り線ロープウェイ待ちに1時間以上かかることもあります。終わりよければすべてよしという言葉がありますが,滑走を楽しんだ後に寒い中リフト待ちがあると,良い思い出が嫌な思い出への変わりスキー場イメージダウンとなってしまいます。

▲みつまた第2,3ロマンスのリフト列

▲みつまたロープウェー下り線待ち列

(3)リフトの老朽化
かぐらスキー場は2024,2025シーズン中に複数回みつまたロープウェーやかぐらゴンドラなどのリフト不具合が発生しています。スキー場は遠くから時間をかけて来る方が多いため,当日突然のリフト故障による運休はスキー場のイメージダウンに直結してしまいます。この故障頻発の経緯は老朽化が主要因であることと,2000年代の西武鉄道の証券取引違法事件からコクド解体スキー場再編等の激動の時代があり2010年代のリフトのメンテナンス費用予算が十分に割り当てられず,近年になりその付けがリフト不具合ということで現れてきているとも考えています。
プリンス側も2010年頃までは設備投資を怠っていたわけではなく,2010年に設備が古くなったシングルリフトの更新は行っているため2010年以降メンテナンス予算が削られていると考えられます。また,多くの索道を抱えるプリンスリゾートは元々積極的にゴンドラ・ロープウェイの更新をしていましたが,2010年以降のリフト架け替えによる設備更新はほぼなく各プリンススキー場で老朽化が進んでいます。今年は特にリフト不具合が目立ち,富良野第1高速や焼額山第2高速,焼額山第2ゴンドラなどで故障による運休が発生しています。故障が頻発している索道は,大規模設備であるゴンドラ,ロープウェイ,高速リフトであることから,更新費用が莫大で以前のように思い切った更新にはなかなか踏み切れないというのは容易に想像できますが,やはり利用者にとって故障運休はかなりのイメージダウンとなります。

かぐらスキー場へのアクセス索道の特徴は下記になります。
●みつまたロープウェー 建設年1992年
特徴:可動式桟橋を採用
可動式桟橋とはロープウェイ搬器が駅に到着すると,跳ね上げてあるにある桟橋を下ろしホームと搬器の間を埋めるものであり,ホームへの搬器の高速進入を可能としています。
ちなみに,この可動式桟橋はみつまたロープウェーが国内初採用です。
基本的にロープウェイはゴンドラと異なり構造が単純であるため,しっかりメンテナンスをすれば寿命は長いため国内でも50年以上稼働しているロープウェイは多くあります。1992年建設のみつまたロープウェーはロープウェイの中では比較的新しい索道ですが,不具合が連発しているのはこの可動式桟橋が主原因と考えています。

●みつまた第1高速リフト 建設年1987年
特徴:初期のクワッドリフト
建設から30年以上が経ってますが,このレベルのリフトは国内スキー場で多く稼働しており今後も運行に大きな問題はないと考えています。ただし,建設から30年以上経過しているため老朽化は進んでおり,この世代のリフト老朽化はかぐらスキー場に限らず全国のスキー場共通の課題です。

●かぐらゴンドラ 建設年1988年
特徴:現在は廃業している太平索道製のゴンドラ
太平索道製のリフトのメンテナンスはJFEエンジニアリングなどが行っていますが,現在は存在しないメーカーの製品であるためメンテナンスが大変かつ交換部品の入手に苦労すると考えられ,今後架け替え等が必要になってくると考えています。

●みつまた第2ロマンスリフト 建設年2010年
特徴:かぐらスキー場内では最も新しいリフト
建設年も新しく今後も大きな問題となることはないと考えています。

●みつまた第3ロマンスリフト 建設年1988年
特徴:安全索道製のペアリフト
かぐらスキー場のリフトはほぼ日本ケーブル製ですが,このリフトとみつまた第2高速のみ安全索道製のリフトとなっています。近年は混雑時の下山時間のみ稼働していますが,運営側にとって他のリフトとメーカーが異なるのは多少なりともメンテナンス的に苦労すると考えられます。

3. 課題を解決するリフト架替案

ここからは,私の完全な妄想です。

課題解決する手段
(1)かぐらエリアへのアクセスの悪さ
みつまた駐車場から乗り換えなしでかぐらエリアへアクセスできるようにする。
(2)下山時の混雑
10人乗り以上のゴンドラを建設することで輸送能力をアップし混雑解消を図る。
(3)リフトの老朽化
みつまたロープウェー,かぐらゴンドラをカバーできる新設リフトを建設することで,既存リフトを廃止する。

妄想架替案1
現在のみつまたロープウェー山麓駅からみつまた山頂に中間駅を設け現在のかぐらゴンドラ山頂駅までを結ぶゴンドラを建設する案です。
これにより,みつまたロープウェー,みつまた第2高速,みつまた第3ロマンス,かぐらゴンドラを廃止しリフト整理が図れます。
建設コストは莫大となりますが,個人的にはかなり合理的な案と考えています。

【メリット】
●乗り換えなしでかぐらメインゲレンデに直通できる。
●みつまた山頂に中間駅を設けることで,みつまたゲレンデからも乗り降りが可能となる。
●みつまた山麓-山頂間,みつまた山頂-かぐら間を独立させる(支えい索独立)ことにより,強風時でもみつまた山頂駅まで運転可能とすることで,強風時もスキー場全面運休のリスクを下げることができる。また,みつまたにあるサマーゲレンデにも対応ができる。
●人員を必要とする駅数を4つから3つに削減できる。
みつまたロープウェー山麓山頂,かぐらゴンドラ山頂山麓:計4
かぐら-みつまたゴンドラ山麓中間山頂:計3
●ゴンドラに架け替えることで輸送能力をUPさせ下山時の混雑を緩和できる。
【デメリット】
・中間駅を設けるため,建設費用が嵩む。
・みつまたエリアが過疎化する。

このゴンドラが仮に建設されたとしたら,中間駅がなくなった野沢温泉の水無ゲレンデのようにみつまたエリアは確実に人が少なくなります。案では,みつまた第1高速は残していますが,かぐら強風時・大会時以外のみの運行とすることで更にコストはさげられます。

妄想架替案2
現在のみつまたロープウェー山麓駅からみつまたゲレンデ山麓に中間駅を設け現在のかぐらゴンドラ山頂駅までを結ぶゴンドラを建設する案です。
案1と比べてプラスのメリットがなく,路線長も長くなってしまうため現実的ではないと考えています。

妄想架替案3
現在のみつまたロープウェー山麓駅からみつまたに中間駅を設けず現在のかぐらゴンドラ山頂駅までを結ぶゴンドラを建設する案です。
コスト面では最も有利ですが,みつまたエリアは完全に下山専用のゲレンデとなります。

【メリット】
・中間駅を設けないので,建設費や維持費などを抑えることができる。
・かぐらへのアクセスは最も速くなる。
【デメリット】
・中間駅を設けないため,強風時はスキー場完全運休となる。また,夏期にみつまたまでの移動手段がないためサマーゲレンデは廃止となる。
・みつまたエリアは,下山のコースがオープンしないと滑れない幻のゲレンデと化する。

かぐらスキー場の一番の売りはかぐらエリアの雪質の良さとシーズンの長さだと思っています。みつまたエリアも素晴らしい斜面を有しますが,今後のスキー場にとって厳しい時代が続くことを考えると,みつまたを実質廃止しかぐらスキー場の強みであるかぐらエリアに全力投球することは決して悪くはないと考えています。

4. まとめ

個人の勝手な妄想ですが,大規模な設備投資をするならまずはかぐらエリアへのアクセスだと考えています。しかし新設ゴンドラ建設となった場合の建設費は,野沢温泉の30億を超え40~50億円程度と想定されます。この規模の設備投資は容易いことではなく,今の施設の設備メンテナンス強化に収めるのが現実的と考えています。確実にみつまたロープウェーを運行できるように,輸送能力は落ちますがネックとなっている可動式桟橋を撤去する,かぐらゴンドラの設備更新を実施するなどがあると考えられます。私も大好きなスキー場ですので,今後のスキー場の発展に期待しています。

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