蔵王温泉 横倉ゲレンデに新リフト登場!

索道レポート

2026/9/27
横倉ゲレンデに新リフト登場!


ハイライト

蔵王温泉スキー場横倉ゲレンデに新リフト!? 2027年シーズンに向けて現地をチェックしてきました。

[目次]
1.現在の横倉ゲレンデ▼
2.新リフトはどこにできる?▼
3.既存リフトはどうなる?▼
4.既存リフト諸元と写真▼
5.まとめ▼

1. 現在の横倉ゲレンデ

蔵王といえば,なんといっても「樹氷」が有名ですが,スキー場好きとして気になるのは,やっぱりリフトやゲレンデの変化です。
今回,新リフトが登場するのは蔵王ロープウェイ山麓線の乗り場があり,スキー場の玄関口である横倉ゲレンデです。

横倉ゲレンデの上部には蔵王名物の最大斜度38度の「横倉のカベ」があり、中上部は比較的緩やかな斜面でゲレンデ下部は少々急な斜面となっています。現在は横倉第1ペアA線(16)・横倉第2ペア(17)・アストリア第1ペア(18)などが設置されています。

2. 新リフトはどこにできる?

現在、公式情報では2026年7月15日に蔵王ロープウェイが「2026年冬、横倉周辺に新リフト誕生……か!」と告知しており、詳細はまだ含みを持たせた表現になっています。
新リフトができるとなると、気になるのはやっぱり、「いったい、どこに架かるの?」ということです。
今回,冬とは全く違う夏の横倉ゲレンデを訪れてみました。雪がない状態で見ると,普段スキーをしているときには分かりにくい地形やリフトの位置関係がよく分かります。特に今回は,新リフトがどこを通るのか,現在のリフトとどのような関係になるのかを中心に確認してみました。

上の写真は,総合グランドからの横倉ゲレンデの様子です。この写真より,大体の支柱の位置がわかりどこにリフトが建設されるのかが大体わかります。
現地の写真および様々な情報より新リフトの配置を考えてみました。

新リフトについては,「中間駅を設けた路線になる」という情報があり,上図のような配置になるのではないかと考えています。横倉ゲレンデの中腹には蔵王アストリアホテルがあり,これまではホテル宿泊者がホテルのすぐ横にあるアストリア第1ペアを利用することができました。しかし,今回の新リフトへの架け替えによっては,ホテルからいったんゲレンデ下部まで下りてからリフトに乗る必要が出てくる可能性があります。横倉ゲレンデの下部は比較的斜度があるため,特に初心者の利用者にとっては,少し利用しづらい動線になってしまうようにも思えます。

施工体系図より,新リフトのメーカは安全索道製であり,固定循環式となるようです。高速クワッドのような自動循環式ではないようです。完成すれば,蔵王で唯一の1km越えの固定循環式索道となります。

▲施工体系図

▲新リフトの支柱

▲新リフトの支柱

3. 既存リフトはどうなる?

新リフトができるとなると,気になるのが現在のリフトです。
横倉には現在,3本のリフトがあります。
・横倉第1ペアA線
・横倉第2ペア
・アストリア第1ペア
現地を確認したところ,これらのリフトはすでにすべて撤去されていることが分かりました。今回の新リフトは,単純に新しいリフトを1本追加するというよりも,既存の3本のリフトを1本に集約し,それぞれが担っていた役割を整理する意味合いが大きいと考えられます。

▲撤去が進む横倉第1ペア

▲撤去が進む横倉第1ペア

▲撤去済みの横倉第2ペア

▲撤去済みの横倉第2ペア

▲撤去済みのアストリア第1ペア山麓駅

▲解体されているリフト

4. 既存リフト諸元と写真

これまで横倉ゲレンデで使用されていたリフトの諸元と写真で振り返ります。

■横倉第1ペアA.B線
●線路傾斜こう長:635 m
●高低差:    145 m
●輸送能力:   1,200 p/h
●速度:     1.8 m/s
●定員:     2 名
●索道メーカ:  安全索道
●方式:     単線固定循環式(2-CLF)
●営業期間:   1982年~2026年

■横倉第2ペア
●線路傾斜こう長:617 m
●高低差:    125 m
●輸送能力:   1,200 p/h
●速度:     1.8 m/s
●定員:     2 名
●索道メーカ:  日本ケーブル
●方式:     単線固定循環式(2-CLF)
●営業期間:   1985年~2026年

■アストリア第1ペア
●線路傾斜こう長:711 m
●高低差:    145 m
●輸送能力:   1,200 p/h
●速度:     1.8 m/s
●定員:     2 名
●索道メーカ:  日本ケーブル
●方式:     単線固定循環式(2-CLF)
●営業期間:   1983年~2026年

■横倉第1ペアA.B線











■横倉第2ペア





■アストリア第1ペア





5. まとめ

今回のリフト更新は,輸送能力や移動時間の短縮を目的としたものというより,既存設備の整理・更新という意味合いが大きいのではないかと考えています。これまで横倉ゲレンデにあった3本のリフトを撤去し,新しいリフト1本に集約することで,設備のメンテナンスを簡素化できるほか,人員不足による運休を抑える効果も期待できます。特に近年は,横倉第2ペアリフトが人員不足のため運休していることが多かった印象があります。そうした状況を考えると,今回の更新は,単なる老朽設備の置き換えではなく,今後の運営を見据えた設備の集約・効率化という側面もありそうです。
例えば,これまでの3本のリフトを,それぞれ山麓・山頂に2人ずつ配置して運行すると仮定すると,合計で12人のスタッフが必要になります。一方,新リフトは山麓・中間駅・山頂の3か所に,それぞれ2人ずつ配置するとしても6人。単純計算では,必要な人員を半分にすることができます。もちろん,実際の運行に必要な人数は設備や運行方法によって異なるため,あくまで一例ですが,3本を1本に集約することで,運営面での負担が大きく軽減されることは間違いなさそうです。
スキー場を取り巻く環境が変化するなか,リフトの老朽化だけでなく,運営を支える人員の確保も重要な課題になっています。今回の横倉ゲレンデの更新は,そうした時代の変化を反映したものなのかもしれません。
蔵王温泉スキー場では,今後もこうした古いリフトの更新や設備の集約が進められていくのでしょうか。横倉ゲレンデの新リフトをきっかけに,蔵王全体の索道設備が今後どのように変わっていくのかにも注目したいところです。