2020/7/19
No.2 公道に残る三位角形灯器【2020年夏ダイジェスト版】
1.角形設置数ランキング
2020年7月現在、三位角形灯器が残る公道の交差点は23か所で、千葉県・神奈川県・静岡県・愛知県に設置されています。日本地図で見てみると角形が残っている場所は図1.1の赤帯内にあり、太平洋ベルトならぬ角形ベルトのようになっています()
また、4県の設置状況をランキングにまとめると下記のようになります。
【県ごとの設置か所数ランキング】
第1位:静岡県(11か所、19灯)
第-位:神奈川県(1か所、2灯)
第2位:愛知県(1か所、1灯)
第2位:千葉県(1か所、1灯)
【情報】2022/3/9時点
設置数は静岡県の圧勝です。しかし最近の情報によると静岡県の更新ペースが早くなっているので油断を許さない状況です。以前、愛知県内にはたくさんの角形が設置されていましたが、2年程度でほぼ撤去されてしまったので、現在残っている角形もいつ消えてもおかしくない状況です。
※三位灯とは青・黄・赤全てがそろっている信号機のこと。
2.千葉県
角形設置数 第2位 計1か所 計1灯
.千葉県に1か所のみ残る角形は、千葉大学正門前の京三角形です。歩道橋に設置されいる灯器は更新されにくいため、2020年まで残っていると考えられます。角形の状態は非常に良好です。かつて千葉県は偏光組み込み角形など、非常に面白い灯器が多かったのですが、2019年の偏光灯器大量撤去により国内から偏光組み込み角形は絶滅してしまいました。
4.愛知県
角形設置数 第2位 計1か所 計1灯
情報:2021/2/13
.愛知県に残る角形交差点は3か所で、他の県と比較して古い世代の角形が残っています。阿久比卯坂のゼブラ付き角形は小糸製作所時代の角形で昭和41年頃の製造であり、国内最古の車両用灯器と思われます。またほかの杉栄町と池端三丁目の角形も昭和44年製造と大変古いものとなっています。愛知県では、低コスト灯器導入以前は最も多く角形が残っていた県でしたが、2年足らずで一気に淘汰されてしまったことを考えると、この3か所が残っているのは奇跡ですね。
また、低コスト灯器登場以前は京三角形が多く残っていましたが、全て撤去され、現在では全国から公道のφ250京三角形は絶滅しています。
3.神奈川県
角形設置数 第-位 計-か所 計-灯
.神奈川県に残る三位角形は末吉橋の一か所のみです。末吉橋は、両面2セット角形と歩道橋に設置されている片面角形の計2灯(正味3灯)が残っています。ここも歩道橋設置かつ橋の架け替え工事が行われる予定なので、信号機更新が後回しになっており、2020年まで奇跡的に角形が残っていると思われます。2セット両面角形は2014年頃まで、平間地区など神奈川でも数多く残っていましたが、2020年時点で末吉橋のみとなり、全国的にも末吉橋のみの設置になっています。
5.静岡県
角形設置数 第1位 計11か所 計19灯
情報:2022/3/9
.2020年時点で最も角形が残っている都道府県は静岡県です。角形以外にも貴重な包丁灯器や日信初期丸型など全国的に貴重な灯器が多く残っているのが特徴です。2020年6月ごろから静岡県の更新スピードが加速しているので早めの収録が必要です。残っている角形メーカは小糸が多く次いで日信角形となっており、藤枝市藤岡には全国で唯一のオール角形交差点があります。2030年度までに全信号機LED化するようです。
6.角形交差点一覧
6.1 千葉県
///千葉県千葉市稲毛区弥生町1
千葉大正門前
内訳:φ300京三製角形×1
●金属製車両用交通信号灯器
・製造年月:昭和53年8月(茶銘板)
.
.
.
6.2 神奈川県
///神奈川県川崎市幸区小倉5丁目21
【撤去済】末吉橋
内訳:φ300京三製角形(片面×1,2セット×1)
【2021/12/9撤去確認】
●金属製車両用交通信号灯器(2セット)
・製造年月:昭和53年7月(茶銘板)
●金属製車両用交通信号灯器(片面)
・製造年月:昭和53年3月(茶銘板)
6.3 静岡県
///静岡県沼津市米山町7
【撤去済】五小南
内訳:φ250小糸製角形(片面×1)
●交通信号灯器【2022/2/26撤去確認】
・製造年月:昭和48年4月(上銘板)
///静岡県富士市荒田島町8
荒田島
内訳:φ250小糸製角形(片面×2)
●車両用交通信号灯器
・製造年月:昭和49年5月
///静岡県富士市厚原1141−2
厚原
内訳:φ250小糸製角形(片面×3)
●交通信号灯器(上銘板)
・製造年月:昭和48年2月
///静岡県静岡市清水区上清水町15
【撤去済】八分団前
内訳:φ250小糸製角形(片面×1)
●交通信号灯器【2020/9/10撤去確認】
・製造年月:昭和46年4月
///静岡県静岡市清水区入江岡町5
【撤去済】入江岡
内訳:φ250小糸製角形(片面×1)
●交通信号灯器【2020/8/1撤去確認】
・製造年月:昭和46年1月
///静岡県静岡市葵区上土2丁目
上土
内訳:φ250小糸製角形(片面×1)
●交通信号灯器
・製造年月:昭和46年7月
///静岡県焼津市焼津1丁目10
【撤去済】焼津栄町
内訳:φ250小糸製角形(片面×3)
●交通信号灯器【2021/10/12撤去確認】
・製造年月:昭和46年2月
※北西向:認知防止庇
///静岡県藤枝市小石川町1丁目3
【撤去済】田沼地下道北
内訳:φ250小糸製角形(全周庇.片面×1)
●交通信号灯器【2020/9/5撤去確認】
・製造年月:昭和44年2月
.
///静岡県袋井市川井
袋井中学校北
内訳:φ250小糸製角形(片面×1)
●交通信号灯器
・製造年月:昭和46年4月
.
///静岡県浜松市中区鴨江町284
【撤去済】鴨江町
内訳:φ250小糸製角形(片面×1)
●交通信号灯器【2021/10/25撤去確認】
・製造年月:昭和46年7月
///静岡県浜松市中区鴨江3丁目67
根上り松前
内訳:φ250小糸製角形(片面×1)
●車両用交通信号灯器(上銘板)
・製造年月:昭和48年5月
///静岡県浜松市西区湖東町3757
【撤去済】和地向
内訳:φ250小糸製角形(片面×1)
●交通信号灯器【2021/12/4撤去確認】
・製造年月:昭和48年2月
///静岡県静岡市駿河区八幡
【撤去済】森下公園前
内訳:φ250日本信号製角形
●車両用交通信号灯器【2021/9/15撤去確認】
・製造年月:昭和48年7月
///静岡県藤枝市藤岡3丁目9
藤枝藤岡
内訳:φ250日本信号製角形(片面×4)
●車両用交通信号灯器
・製造年月:昭和49年2月
///静岡県島田市阪本1352
色尾
内訳:φ250日本信号製角形(片面×2)
●車両用交通信号灯器
・製造年月:昭和48年5月
///静岡県掛川市浜野
浜野
内訳:φ250日本信号製角形(片面×1)
●車両用交通信号灯器
・製造年月:昭和48年10月
///静岡県磐田市国府台7
磐田市役所前
内訳:φ250日本信号製角形(片面×2)
●車両用交通信号灯器
・製造年月:昭和48年3月
///静岡県浜松市中区鴨江4丁目2
【撤去済】鴨江四丁目
内訳:φ250日本信号製角形(片面×1)
●交通信号灯【2020/8/15撤去確認】
・製造年月:昭和46年11月
///静岡県浜松市東区市野町
市野東
内訳:φ250日本信号製角形(片面×1)
●車両用交通信号灯器
・製造年月:昭和48年10月
6.4 愛知県
///愛知県知多郡阿久比町大字卯坂山ノ内
卯坂
内訳:φ250小糸製作所製角形(片面×1)
●交通信号灯器(ゼブラ付き)
・製造年月:昭和41年?(読取り不可)
///愛知県知立市宝2丁目7
【撤去済】池端三丁目
内訳:φ250小糸製角形(片面×1)
●交通信号灯器【2021/2/11撤去確認】
・製造年月:昭和44年11月
///愛知県名古屋市北区杉栄町2丁目
【撤去済】杉栄町
内訳:φ250日本信号製角形(片面×1)
●交通信号灯【2021/2/13撤去確認】
・製造年月:昭和44年7月
7.おわりに
まだ多くの角形が残っていますが、1年後には半分残っているのか怪しいレベルです。まだ残っている角形を夏休みなどを活かして、訪れてみてはいかがでしょうか。
この他の場所にも三位角形は存在している可能性があります。また、間違っている情報がございましたらTwitterにてご連絡いただければ幸いです。