ニセコヒラフ エースゴンドラに乗ってきました

索道レポート

2025/2/13
ニセコヒラフ エースゴンドラに乗ってきました


ニセコ東急グランヒラフにて,今シーズンデビューした新しいゴンドラに早速乗ってきましたので雑レポします。

今シーズンは新岩岳ゴンドラもデビューしましたが,岩岳ゴンドラは純国産ゴンドラ,エースゴンドラは日本ケーブルと技術提携しているDoppelmayr社のオーストリア工場直輸入品という違いがあります。
とりあえず感想としては「かっちょ良すぎ」です。バブル期に建設された日本でよく見る索道は,機構が丸見えでメカメカしいことがありますが(それはそれで最高),エースゴンドラは黒を基調としたキャビンと洗練されたステーションすべてがスマートで「かっちょ良すぎ」です。もちろんナイター営業も行っており,夜の姿は更にかっこよさ倍増です。

注目のキャビンは野沢温泉の長坂ゴンドラと同じCWA社のOMEGAⅤを採用。乗り心地はもちろん素晴らしいですが,野沢・石打でこの手のゴンドラには乗車済みの私は静かなキャビンにはもう驚きません。静かなキャビンは既に当たり前になってきたという感じで技術の進歩は恐ろしいです。今までのゴンドラがうるさすぎたのだと気づかされます。
とはいうものの静かで快適なキャビンで最高です。会話も聞きやすく自ずとゴンドラ内のトークも弾むはず。

最近のゴンドラは1台当たりの輸送人数UPのためキャビン外にスキー・スノボラックはなく,もっぱらキャビン内に持ち込むスタイルが多いですが,このエースゴンドラはキャビン内にスキーをぶっさす穴が設けられているのが特徴。穴の大きさ的にツインチップのスキー板も1枚ずつならぎりぎり入る寸法な気がしますが,穴の中に雪が入り挿してもふにゃっとしてしまうのが残念なところ。いい感じに刺さるのはカービング用の硬い板のみで,穴にさしている人はほぼ皆無だった印象。
ちなみに,シートヒータが付いてるようですがそんなに暖かいと感じませんでした(気のせい?握索機に集電端子があるのであったかくなっているはず)。10人乗りなのでインバウンド勢のパワフルな熱気の方がよっぽどアツいです。

ワイヤはストランド間に樹脂が編み込まれたシマシマが特徴のFatzerのPERFORMA-DTで,振動低減に貢献し耐用年数も長いとのこと。写真が悪いですが握索機の左側に集電端子がちらっとみえてます。

ほかの注目ポイントはパスワード不要のfree Wi-Fiがあることでインバウンド対策もばっちり。Wi-Fiのアクセスポイントはキャビン内にあるのではなく支柱に設置されているご様子(作業アームにある白っぽいやつ)。

山麓駅は建屋ではなく石打丸山と同じオープンスタイルでDoppelmayr社のD-Lineの標準的なタイプ。キャビンは10人乗りで大型なので屈んでもたつくことなく非常にスムーズに乗り降りできます。

輸送能力は先代のセンターフォーより1,000p/h多い2,800p/hにパワーアップしたおかげで,朝一の大行列も案外並ぶ時間は短く高ポイントです(この列で10分ぐらい)。さすが10人乗りですね。

山頂駅は長坂ゴンドラのように建屋スタイルで防雪対策もばっちりです。出入口は2か所ありますがエース第3側の出入口は強風になると雪が入るのでシャッタがおります。ちなみに山頂緊張で山麓原動です。

そのうち山頂駅にレストランができるようでゴンドラ駅舎上は増築できるようなつくりになっている模様。なおこのレストランは,センターフォーの搬器を再利用した座席も用意されるとのことで索ヲタ激アツなレストランになるらしい。来シーズンはインバウンド価格のレストランに札束を握りしめて食事を楽しみたいですね。

ニセコといえば強風というほど風が強いスキー場です。そして試されるゴンドラの風耐性ですが,センターフォーと同等程度とみています(根拠なしのてきとーです)。フードなしクワッドからゴンドラになることで風には弱くなるのでは?と思いましたが,撮影当日はかなりの風が吹いていましたが(具体的な風速は記録忘れ),ゴンドラは運休することなく減速運転にて運行し続けていました。まさに技術の勝利です。

キャビンの大型化により1台当たりの重量が増えることで支柱本数を減らすことができますが,センターフォー27基に対してエースゴンドラは半分以下の8基。このおかげで支柱通過の振動も少なく快適さに貢献しています。また,支柱スパンがかなり長いためワイヤがかなり撓んでいますが,乗車中は全く気になりません。

ヒラフ名物だった山頂の白い恋人の温度計は蒸発して消えてました。こういうモニュメントは急に復活したりするので,山頂レストランが完成した来シーズンに復活することをひそかに期待しています。
そのうち真面目にゴンドラレポ書きます。

 

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