GALA湯沢・南エリアが営業休止!?

索道レポート

2026/9/15
GALA湯沢・南エリアが営業休止!?


GALA湯沢スキー場から,ちょっと気になる発表がありました。
2026-2027ウインターシーズンより,南エリアの営業を休止するとのことです。
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発表では,2026-2027シーズンのみ営業休止に見えますが,「これまで長年にわたり南エリアを楽しみ、支えてくださったみなさまに改めて感謝を申し上げます。」この一文で,今後復活する可能性もないのではと疑いたくなる文章です。

GALA湯沢といえば,ゴンドラ(ディリジャンス)山頂駅を中心とした中央エリア,石打丸山方面へつながる北エリア,そして湯沢高原側に位置する南エリアの3エリアに分かれています。
その中でも南エリアは少し独特な存在で,「260万ダラー」「ブロンコA・B」「イライザ」「バットマン」といったコースがあり,中央エリアの整地されたゲレンデとは違って,自然な地形や不整地を楽しめる中・上級者向けのエリアです。
南エリアは,中・上級者エリアで初級者が滑るにはかなりハードなエリアです。新幹線駅直結のGALAは初級者が圧倒的に多いと考えられ,南エリアの休止は実質見切りと思われます。

▲営業中の南エリア

実は南エリアは,今回が初めての営業休止というわけではありません。
2004年の中越地震以降,2006年にリフト山頂駅舎山麓側で地盤変形が確認され,リフト架け替えのため2010年~2009年の4年間営業休止した過去があります。

1. 開業当初から設置された南エリア

GALA湯沢が開業したのは1990年。
上越新幹線のガーラ湯沢駅と直結するスキー場として登場し,東京から新幹線で直接アクセスできるスキー場として大きな話題になりました。
南エリアにもリフトが設置され,その後,エリアへのアクセスを担う設備としてワゴネットが活躍することになります。
南エリアの下部には,湯沢高原スキー場との連絡を担うロープウェイ「ランドー」も設けられ,GALA湯沢から湯沢高原へ滑って移動できるルートが形成されていました。
建設時の「ランドー」「ワゴネット」の諸元は下記です。ワゴネットはGALA唯一の東京索道製のクワッドリフトでした。

■ランドー
●線路傾斜こう長:942 m
●高低差:    69 m
●輸送能力:   600 p/h
●速度:     5.0 m/s
●定員:     51 名
●索道メーカ:  日本ケーブル
●方式:     4線交走式普通索道(2支索2曳索)
●営業期間:   1990年2月~

■ワゴネット
●線路傾斜こう長:685 m
●高低差:    236 m
●輸送能力:   2,400 p/h
●速度:     4.0 m/s
●定員:     4 名
●索道メーカ:  東京索道
●方式:     単線自動循環式(4-CLD)
●営業期間:   1990年2月~2005年

2. 2006年度から南エリア休止

ところが,南エリアは2006年度から営業を休止します。
きっかけとなったのは,ワゴネット山頂駅付近で確認された地盤の変動でした。
2004年の中越地震以降,山頂駅にて鋼杭による基礎補強や建家補強工事を施し営業を続けていましたが,2006年に現状の設備では営業困難となり営業休止となりました。
営業休止となったものの,当時のGALAにとってワゴネットとランドーは三山連絡(湯沢高原,GALA,石打丸山の3施設相互アクセス)という,重要な営業戦略エリアであり,営業再開への期待が叫ばれていました。
そのため,2010年営業再開に向け,地盤変動したクワッドリフトをペアリフトへの架け替え,雪崩防止柵の設置して営業再開することが決定しました。

クワッド架け替え時のルート選定
ワゴネットクワッドリフト架け替えについて,A~C案でのルート検討がされています。

検討されたA~B案
A案:山頂駅舎をコース山頂に設置する案
B案:山頂駅舎は湯沢,山麓駅舎を塩沢方面へ設置する案
C案:クワッドリフトと同位置案
3案のうち,A,B案については保安林の解除を伴い,C案が経済的であったことから現在のワゴネットペアリフトはC案の位置に架けられています。
C案はクワッドリフトとほぼ同位置ですが,北側に2500mm移動しておりリフトの変更申請をしています。
同位置であることより,クワッドリフトの支柱流用も検討されたようですが,全新製のほうがコストが安くクワッドリフト設備は全撤去されています。

■旧ワゴネット
●線路傾斜こう長:685 m
●高低差:    236 m
●輸送能力:   2,400 p/h
●速度:     4.0 m/s
●定員:     4 名
●索道メーカ:  東京索道
●方式:     単線自動循環式(4-CLD)
●営業期間:   1990年2月~2005年

■新ワゴネット
●線路傾斜こう長:639 m
●高低差:    263 m
●輸送能力:   1,200 p/h
●速度:     2.3 m/s
●定員:     2 名
●索道メーカ:  日本ケーブル
●方式:     単線固定循環式(2-CLF)
●営業期間:   2010年11月~

▲新ワゴネットペアリフト

▲新ワゴネットペアリフト

3.そして2026-2027シーズン、再び休止

そんな南エリアですが,2026年9月15日,GALA湯沢から2026-2027ウインターシーズンの南エリア営業休止が発表されました。
2006年度から2009年度までの休止を経て,2010年度に復活した南エリア。それから再び営業休止となります。かつては「三山連絡」の一角として,GALA湯沢にとって重要な営業戦略上の位置づけだった南エリア。
しかし,近年のGALA湯沢は,駅直結という抜群のアクセスを生かし,スキーを目的としないインバウンド客も多く訪れるようになりました。
そうした中で,雪崩対策などの維持管理にコストがかかる南エリアは,利用状況に対して維持費の負担が大きく,コストカットの対象となったのではないでしょうか。
また,ICゲートの導入によって利用者の動きが把握できるようになったことも,判断材料になった可能性があります。実際には,想定していたほど南エリアを経由して湯沢高原まで行き来する利用者が多くなく,「三山連絡」による経済効果もそれほど大きくなかった――そんな判断があったのかもしれません。
もちろん,これは公表された休止理由ではなく,あくまで推測です。

かつては「三山をつなぐこと」に大きな意味があった南エリアも,利用者層やスキー場を取り巻く環境が変化したことで,その役割を見直す時期に来たのかもしれません。

一度は長期休止を経験し,設備を変更して復活した南エリア。
今回の営業休止によって,今後このエリアやリフトがどうなっていくのか。
今後の動向に要注目です。




4. 参考文献

(1)ガーラ湯沢スキー場リフト取替,日本鉄道車両機械技術協会,伊藤尚氏,2013年4月