スキー場で最古参のチェアリフトはどこにあるのか?

索道レポート

2025/5/24
国内最古級のシングルリフト


ハイライト

スキー場にある最古参のチェアリフトを調査します。

[目次]
1.はじめに▼
2.国内スキー場最古参チェアリフト▼
3.乗車レポート▼
4.ハチ北温泉 湯治の郷▼
5.まとめ▼

1. はじめに

近年,シングルリフトはスキー場では激レアな存在になっています。そのなかでも,トラス支柱を特徴とする1980年以前に建設されたシングルリフトは,撤去リプレースが進み数本残るのみとなっています。そんな貴重なシングルリフトが兵庫県ハチ北高原に未だに残っており,その様子を紹介しながら国内スキー場に残る最古のシングルリフトを追います。

2. 国内スキー場最古参チェアリフト

さて,日本で最も古い索道は奈良県の吉野山ロープウェイということは,検索してもすぐに引っかかりますが,スキー場で現在稼働中のチェアリフトで最も古い索道は?と聞くとGoogle先生も微妙なことしか答えてくれません。
今シーズンハチ北スキー場で旅館街シングルリフト(野間登行)に乗車したのですが,トラス支柱のかなり古いリフトで建設年はなんと昭和47年。そこで,日本のスキー場で稼働中のリフトで最も古いリフトはどこにあるのか?何年製なのかが気になって調べてみることにしました。

令和6年度の鉄道要覧をより下記の情報を得られました。
①【ハチ北高原】民宿街シングル(野間登行) 建設年:昭和47年12月 安全索道
②【関温泉】神奈山第3 建設年:昭和47年12月 日本ケーブル

昭和30年代のリフトがどこかに残ってそうな気がしていましたが,スキー場のリフトでは昭和47年製が最古とのこと。
私の調査不足で,もう少し古いのが残っていましたらすみません。

ちなみに,国内最古参のチェアリフトとして兵庫県の須磨浦観光リフト(昭和34年建設)があります。

▲ハチ北高原/旅館街(民宿街)シングル

▲ハチ北高原/旅館街(民宿街)シングル

▲関温泉/神奈山第3

▲関温泉/神奈山第3

3. 乗車レポート

【ハチ北】旅館街シングルリフト
最古参のチェアリフトとして紹介したハチ北の旅館街シングル(=民宿街シングル=野間登行)は,ハチ北の旅館街からハチ北ゲレンデ駐車場までを結ぶ場所にあります。このリフトを使ってのスキー,スノボの滑走はできず,ゲレンデと旅館街の連絡リフトとして使われています。ちなみに,乗車時は板も装着できないので手持ちになりますが,手持ちはかなりハードで体力必要です。

2025年訪問時は,旅館街シングルリフトに乗車するためハチ北旅館街駐車場へ車を停めました。ハチ北旅館街へ行くためには,「ハチ北温泉」と書かれた非常にフォトジェニックなゲートをくぐります。ゲートを通過すると,駐車場料金所があり温泉街に入るためにも駐車料金を払う必要があります。この旅館街に宿泊すれば無料になるようですが,料金は土日祝日1500円とガッツリ徴収されます。ただ,ゲレンデ横の駐車場は土日2000円もするので少しお安く済むので,このリフトに乗車したい同志にはおすすめ駐車場です。

料金所を通過し旅館街を進むと道横に旅館街シングルリフトの山麓駅がひっそりと現れます。大きな案内看板があるわけではないので,何も考えずに運転していると見逃してしまいな佇まいです。

実際にリフトを目にして,語彙力を失い"やばいねぇ"しか思い浮かびませんでした。こんな古いリフトがスキー場で現役運行できていることに対しメンテナンス等に携わっている方々には脱帽です。

しかもこのシングルリフト,俺が古株やと言いつつ川も渡っちゃうかなりワイルド野郎なシングルリフトなのです。

下りの川渡りはかなりスリリングです。板も持っているので,落とさないかちょっぴり緊張しながら乗車をします。

山頂のゲレンデ側の重錘緊張の停留所です。特に改修された形跡はなく建設当時のままと思われる姿で残っています。

4. ハチ北温泉 湯治の郷

滑り終わったら(リフトを乗車し終わったら)ハチ北温泉旅館街にある日帰り温泉施設の湯治の郷でさっぱり汗を流すのが吉です。露天風呂はなく湯舟は小さめですが良い温泉です。スキー場のリフト券と引き換えに100円引きになるので,リフト券を忘れないようにお風呂に持っていきましょう。訪問時は偶然キャンドルナイトということで,非常に雰囲気が良さげで写真をパシャパシャしてしまいました。

5. まとめ

スキー場で活躍するチェアリフトですが,その最古参のものはいつ更新されるのかわかりません。
是非ハチ北・関温泉に足を運んでみてはいかがでしょうか。