晴れたので蔵王ロープウェイに乗車してきました

索道レポート

2025/2/21(撮影日:2025/2/15)
晴れたので蔵王ロープウェイに乗車してきました


絶景の蔵王に行ってきました。


今回は初めてリフト券ではなく,蔵王ロープウェイのみの切符を購入して樹氷を見に行くというゆるふわ旅行というものです。
当日は友人と山形旅行に来ていましたが,非常に良い天気で晴れの蔵王は貴重なことを力説し急遽蔵王に行くことを半ば強引に決めました。(すんません)
写真を見ていただければわかると思いますがサイコーの天気で,滑らずとも大満足の1日でした。

まずは,横倉駐車場に車を停め蔵王ロープウェイ山麓線に乗車します。
滑る時は,混雑するので山麓線は避けがち,かつ板も持たずに冬のロープウェイに乗るのはなんかワクワク新鮮な気持ちです。

切符は知人にまとめて買ってもらいました。地蔵山頂駅まで往復で4200円もする高級きっぷを握りしめロープウェイを待ちます。いざ改札との時になんと握りしてめたはずの切符を紛失してしまった私…
知人が領収書を持っていたおかげで切符を再交付してもらいことなきを得ました。知人には感謝しかありませんし,久々に落とし物を多くしてしまった日でもあったので反省モードでロープウェイへ乗車。

黒っぽいイかした搬器は,2011年にデビューした3代目搬器。見た目はスイスのCWA製でスタイリッシュですが,乗車するとそんなことはどうでも良くなるほどぎゅうぎゅうに詰め込まれます。
蔵王は人気スポットですから,観光インバウンド勢もかなり多く,山麓線のしょぼい輸送能力364p/hでは到底足りておらずオーバーツーリズム感です。

1962年から運行されている大変歴史あるロープウェイ。駅と支柱は当時のままで,新しい搬器がぱっと見若干浮いている気もしますがそのギャップが良きです。第四鉄塔が41mで支柱最高高さの様ですが,通勤電車並みの混雑のため景色なんて見てる暇ありません。撮影時は運良く搬器先頭で前面展望(大人のかぶりつきエリア)を眺めることができパシャりしました。

もうすぐ山麓線の終点です。ここから樹氷が見れるメイン路線である山頂線にドナドナ乗り換えです。後ろを振り向くと竜山がどんと聳え立ちます。いつみても険しい山でよくこの山麓にゲレンデを作ったものだと感心します。

山頂線は,2003年に架け替えリニューアルされたフニテル式のロープウェイ(ゴンドラの方が正しい)です。完成当時はかなり画期的で好んで乗車した覚えがありますが,今は慣れたものです。ただ,そうは言ってもこの索道が珍しい構造なのには変わりなく、いつも見てて飽きません。原動緊張装置がプラットホームの下にあるのでワイヤが下から出てくるのもおもしろポイントです。

山頂線にいざ乗車! はい優勝です。最高です。ありがとうございます。今年の樹氷は降雪にも恵まれたことでクソデカです。


支柱も樹氷っぽく仕上がっててすごい迫力です。

樹氷を愛でているとあっという間に山頂駅に到着です。

索ヲタなので山頂駅についたら地下に...ではなく今回は天気が良すぎなので屋上へ向かいました。見ての通り樹氷原と夕日がいい感じにキまっており非常に素晴らしい景色を拝めました。ふと自分の記憶をさかのぼると夕焼けに染まった空と樹氷のセットは初めて見た気がします。

山頂駅屋上の景色を見終えて,お地蔵さんを拝みに駅周辺を徘徊します。しばらく行ってもお地蔵さんがなくどこだと思ったら...なんと埋まりかけてました。こんなに埋まっている姿は10年以上蔵王に来ている中で初めて見ました。
上からお地蔵さんを拝むのは何か気が引けますね。
(蔵王に勤務されていたミスターさん(X@mr_ymgt)曰く,昔は雪が多い年は圧雪車で周辺の雪面を下げていたそうです。通りでこんな姿を見たことがないわけです。)

山頂駅周辺は着氷と着雪のおかげて地球ではないような景色が広がっており絶景です。ザンゲ坂も名前の通り何かを悔い改めて神の許しが得られそうな素晴らしい絶景が広がっています。

宮城県側を見ると太平洋まで丸見えです。多分仙台空港も見えています。

適当に山頂駅周辺を徘徊した後は,山麓駅地下に降りてメインディッシュの折り返し滑車の見学です。原動緊張は山麓駅で山頂駅で見れるのは終端なのでシンプルな構造ですが,フニテルのワイヤ循環の仕組みが良くわかります。ここをガラス張りにして見物できるようにしたのは非常にナイスな配慮だといつも思っています。また,ロープ標本なんかもしっかりあったりして索道のことを少し学べてしまいます。いつかは山麓駅の原動緊張側の滑車も見てみたいなぁと勝手な夢を描いています。(見学ツアーなんかをやってくれると即参加します。)

この日はかみのやま温泉で焼肉を予約していたのでナイト樹氷は見ず少し日が暮れた段階で帰りました。何年も蔵王に来ていますが,日が暮れてから山頂線に乗るのは初めてで非常に新鮮な気持ちでの下山でした。

山麓線の乗り換えは,まあ混んでないかなと油断しましたが考えが甘かったです。山麓線のしょぼい輸送能力のせいで1時間ロープウェイ待ちしました。しかも山頂線と山麓線の乗り換えって場所って野ざらしなんですよね。建物内に誘導することもなく1時間待たされるわけですから,並んでる皆さん当然のことながら寒いと口をそろえて言っていました。実際真冬の外で1時間待ちは私もかなりきつく,折角素晴らしい景色を見れたのに少々残念な気持ちに。建屋内に待ち客を誘導したり,連絡路を新しくするなど少しは配慮があってもいいのではと思いますので,蔵王ロープウェイさん改善よろしくお願いします。(あわよくばインバウンドなどで潤えば山麓線の架け替えもあっても良いかと)

個人的には山麓線の夜間運転にも乗れたので満足ですが,帰りも搬器内はギュウギュウで景色を楽しむ余裕などなく単なる輸送手段にになっているのが残念なところです。

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