No.1 樹脂灯器レンズ蓋の違いについて

交通管理機器レビュー

2020/7/19
No.1 樹脂灯器レンズ蓋の違いについて
いつも当サイトをご覧いただきありがとうございます。
今回から東京LED灯器図鑑や角型集などのまとまったページの他にブログ形式のページを開設しました。
以前、Yahooブログ(livedoorブログに移行した記事)でも似たようなことをしていましたが、更新頻度が非常に低かったため、このページも更新頻度は低めです汗
またこのページは、信号灯器などの交通機器の考察や簡易的な探索レポートなどを載せる予定ですが、筆者の備忘録感覚ですので、独断と偏見が多く含まれている可能性があるのでご了承ください。

第1回は樹脂灯器のレンズ蓋の差異についてです。


ハイライト

現在よくみかける三協製丸型樹脂灯器の基本設計は昭和49年に登場し、各樹脂採用都道府県に設置されています。そのなかで丸型樹脂灯器は、目立った設計変更はないですが、登場初期は年代によって細かな違いがみられます。
今回は初期の樹脂灯器に搭載されている旧蓋と、最もよく見かける新蓋との違いを比較しました。
旧蓋と新蓋は何が違うのか、間違い探し程度でご覧いただけたら幸いです。

[目次]
1.灯器雰囲気の違い▼
2.灯器差異の比較▼
3.具体的な灯器の差異▼
4.おわりに▼
5.画像交差点一覧▼


1.灯器雰囲気の違い

樹脂灯器は経年劣化により灯器筐体が図1.1(昭和52年3月製造)、図1.2(昭和52年11月製造)のようにクリーム色に変色するので、わかりやすく目に留まる灯器だと思います。図1.1と図1.2はどちらも昭和52年代に製造された灯器で、撮影地は図1.1が千葉県青森市、図1.2が青森県八戸市です。撮影地は異なりますが、同年代の同じような灯器なのにも関わらず、何か違った雰囲気を感じます。
変色の仕方も異なっていますが、図1.1の灯器の方が何か歪で古さを感じます(完全に個人的な主観です笑)

図1.1 松下通信工業製・昭和52年3月製造・下開き
図1.2 松下通信工業製・昭和52年11月製造・下開き

図1.1 旧蓋

図1.2 新蓋

2.灯器差異の比較

図2.1は第1節で述べた、雰囲気の異なる2つの灯器を縦並びに比較した画像です。図1.1と図1.2とは違う場所・異メーカーですが、十分に三協樹脂丸型灯器の比較ができている画像だと思います。レンズの違いは今回の比較対象として除くと、何が違うのか間違い探し感覚で見つけてみてください。(詳細な説明は第3節)
図2.3に2つ銘板を載せていますが、図2.1上灯器と図2.1下灯器に対応しています。もちろん、製造が昭和52年3月と平成4年9月で約15年差があるので、銘板のフォーマットや劣化具合が異なりますが、基本設計はほぼ同じなのには驚くと同時に、洗練された設計だったことが伺えます。

図2.1上 京三製作所製・昭和52年3月製造・上開き
図2.2下 京三製作所製・平成4年9月製造・上開き

図2.1 比較画像1

図2.2 比較画像2

図2.3 銘板

3.具体的な灯器の差異

間違い探しの解答です()
一見設計変更がないと思われた樹脂灯器ですが、よ~く観察するとレンズ蓋が異なっています。図3.1は図2.1にその差異を書き加えた図です。大きく3か所ほど、違いがみられますが、総合的に見ると正味のレンズ径が若干大きくなっています。図3.2は八戸市旭ヶ丘に設置されている灯器ですが、青灯のみ後世代のものに交換されているので、旧蓋と新蓋の比較ができる灯器になっています。図3.2で新蓋-旧蓋間の間隔を1とすると旧蓋-旧蓋間は1.17となります。また、レンズ下の蓋留に平行線を引くと新蓋と旧蓋の位置が異なっており、旧蓋は新蓋より若干小さいことがわかると思います。
この設計変更は、昭和52年中頃に旧蓋から新蓋へ変更されたと考えています。

図3.1 旧蓋・新蓋比較①

図3.2 旧蓋・新蓋比較②

4.おわりに

今回は樹脂灯器の旧蓋と新蓋を比較してみました。画像で比較すると旧蓋は新蓋より少し小さいく、細かなところで違っていることがわかりました。
こんな微々たる違いですが、蓋の違いが灯器全体の雰囲気に与える影響が大きいですね。また、こうして見比べてみると新たな発見や樹脂灯器を見る目が変わり非常に面白いですね。

もっと樹脂灯器を見たい方には下記サイトをお勧めします。
【参考サイト】
樹脂灯器がある場所 シチュー様


5.画像交差点一覧

図1.1(旧蓋)

///千葉県流山市南流山8丁目1
車両用交通信号灯器
形式:VT-411 電圧:100V 周波数:50/60Hz
製造番号:707269
昭和52年3月製造
松下通信工業株式会社

図1.2(新蓋)

///青森県八戸市大字番町9−5
車両用交通信号灯器
形式:VT-411 電圧:100V 周波数:50/60Hz
製造番号:708540
昭和52年10月製造
松下通信工業株式会社

図2.1上,図2.2左,図2.3上,図3.1左(旧蓋)

///青森県十和田市東三番町4−45
車両用交通信号灯器
形式:1H33P 電圧:100V 周波数:50/60Hz
製造番号:T80886
昭和52年3月製造
京三製作所株式会社
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図2.1下,図2.2右,図2.3下,図3.1右(新蓋)

///宮城県大崎市古川上古川339
樹脂製車両用交通信号灯器
仕様書番号 警交仕規第24号
形式:1H33 製造番号:T81542
電圧:100V 周波数:50/60HZ
平成4年9月製造
京三製作所株式会社

図3.2(新蓋.旧蓋)

///青森県八戸市旭ケ丘3丁目1−5
車両用交通信号灯器
形式:1H33P 電圧:100V 周波数:50/60Hz
製造番号:T69867
昭和51年10月製造
京三製作所株式会社
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