エース第2クワッド(センターフォー)

4-CLD エース第2クワッド(センターフォー)

◆名称 エース第2センターフォー
◆許可年月日   1985年(S60)4月25日
◆運輸開始年月日 1985年(S60)11月23日

  1. キロ程    1,719.59 m
  2. 高低差    497 m
  3. 支柱数    27 基
  4. 輸送能力   1,800 p/h
  5. 速度     4.0 m/s(場内0.6m/s)
  6. 搬器台数   111 台
  7. 搬器モデル  POMA
  8. グリップモデル(握索機) AS35D2型
  9. 山麓     αドライブ 原動重鎮緊張
  10. 山頂     機械カバー
  11. 主原動機   550 kW(ギアモードモータ30 kW)
  12. 制御方式   サイリスタレオナード
  13. 予備発電機  6,600 V/275 kVA
  14. 予備原動機  100 kW(速度0.6 m/s)
  15. ロープ径   Φ44 mm6WS(36)メッキ異形
  16. 索道メーカー 安全索道
  17. 回転方向   反時計
  18. 発車間隔   8 s 32 m
  19. 定員     4 名
  20. 方式     単線自動循環式(4-CLD)
  21. 事業者    ニセコ東急リゾート(株)

1.概要
日本一古いクワッドリフト
 ニセコヒラフエース第2センターフォーリフト(以後センターフォー)はヒラフのメインリフトで,ナイター営業も行っているリフトです。以前ヒラフは高原エリアとアルペンエリアの運営会社の異なる2つのスキー場から構成されおり,このリフトは,アルペンエリアのメインリフトとしてサンモリッツリフトが建設した旧「ニセコアルペンセンター4」リフトとなっています。日本におけるクワッドリフトは,1984年建設の京王チャンピオン第7トリプル(廃止済)の試験データをもとに認可されており,営業開始日から考えるとおそらく国内のクワッド第1号となると思われます。ちなみに1984年建設の京王チャンピオン第7トリプル(廃止済)はクワッドの仕様にトリプルの搬器で営業を開始したリフトだったようです。当然ながらフード付きクワッド認可以前の建設なので,1,700mと長大路線ながらフードはなくトップシーズンナイター時はとても寒く厚着をオススメします。年代的にも架け替え適期ですが,このセンターフォーはヒラフでも風が強い地形に位置するため,フード付きリフトには厳しいく,架け替えが行われた際にどのようになるのか気になるところです。

⑧エース第2クワッド(センターフォー)
4-CLD(安全索道)
1,719.59m/497m/1985

チェア搬器

【チェア搬器諸元】
●メーカ  安全索道(POMA)
●定員   4 名
●製造年  1985年
●備考   フットレス付き

POMAの初期タイプのクワッド搬器
 安全索道製クワッドの搬器は近年までモデルチェンジなく,日本最古のクワッドであるセンターフォーも様々なスキー場で見られる搬器になっています。握索機は,2016~2017年に掛けて更新されPOMAライセンスのTA型から,安全索道オリジナルのコンパクトなAS-D型になっています。搬器両脇には手すりがなく,落下注意です。

図1.1 センターフォー①(2021)

図1.2 センターフォー②(2016)

図1.3 センターフォー③(2016)

図1.4 センターフォー④(2021)

図1.5 センターフォー①(2021)

図1.6 センターフォー②(2017)

図1.7 センターフォー③(2017)

図1.8 センターフォー④


2.停留所
山麓停留所:αドライブ(油圧緊張原動) 山麓停留所はPOMA社特有のαドライブが用いられています。このデザインは何度見てもかっこいいですよね。現代にも通用するデザインだと思っています。2021年シーズンよりαドライブの塗装が白からベージュに再塗装されています。
山頂停留所:シンプルな機械カバー初期タイプになっています。山頂駅横には有名な温度計があります。2021年シーズンより一部茶色に再塗装されています。

図2.1 山麓停留所2016図2.2 山麓停留所2017図2.3 山麓停留所2021図2.4 山麓停留所①2016図2.5 山麓停留所2016図2.6 山麓停留所2021図2.7 山麓停留所2021図2.8 山麓停留所2021図2.9 山麓停留所2021図2.10 山麓停留所2021図2.11 山麓停留所2021

図2.12 山頂停留所2016図2.13 山頂停留所2016図2.14 山頂停留所(2021)図2.15 山頂停留所②(2021)図2.16 山頂停留所内(2021)図2.17 山頂停留所内2016


3.乗車風景
路線はほぼゲレンデから見えるようになっています。ベース部は緩斜面・中斜面を登っていきますが,中腹からは急斜面を一気に登ります(中腹部から寒さも増します)。中腹部から左横に見える35°のスーパーコースはパウダー時は人気コースになり,リフトからほかの滑走の様子をみるのが楽しいですよ。

図3.1 乗車風景(前方2016)①

図3.2 乗車風景(前方2016)②

図3.3 乗車風景(前方2016)③

図3.4 乗車風景(前方2016)④

図3.5 乗車風景(前方2021)①

図3.6 乗車風景(前方2021)②

図3.7 乗車風景(前方2021)③

図3.8 乗車風景(前方2021)④

図3.9 乗車風景(前方2021)⑤

図3.9 乗車風景(前方2021)⑥

図3.9 乗車風景(前方2021)⑦

図3.9 乗車風景(前方2021)⑨


4.ナイター
トップシーズン時このリフトでのナイターは極寒です。極寒ですが,広いコースあり・パウダーありで防寒対策を行えば日本トップクラスのナイターが味わえます。2021シーズンはヒラフゴンドラのナイター営業がなく,このセンターフォーのみでしたが,普段のナイター時はヒラフゴンドラと交互に乗り分けすると楽しさもアップします。2021年訪問時は3.0m/sでの運転でしたが,ナイターでも混雑時は4.0m/sで運行されており混雑に合わせ柔軟に運転を行っているようでした(個人的にはつねに4.0m/sがいいですが。)

図4.1 乗車風景(前方2016)①

図4.2 乗車風景(前方2016)③

図4.3 乗車風景(前方2016)②

図4.4 乗車風景(前方2016)③

図4.5 乗車風景(前方2016)③

図4.6 乗車風景(前方2016)④

図4.7 乗車風景(前方2016)④

図4.8 乗車風景(前方2016)⑤

図4.9 乗車風景(前方2021)①

図4.10 乗車風景(前方2021)②


5.その他
安全索道の索輪はスポーク式を採用することが多く,一つあたりの索輪の重さが軽いため,一支柱あたりの索輪の数が多くなっているのが特徴です。また,北海道ではなぜか詳細なリフト諸元板が設置されていることが多いです。

図5.1 索輪(2021)

図5.2 索輪(2021)

図5.3 リフト諸元板

●執筆者  索道野郎
●更新日  v1:2021/6/19
●取材日  2016/3/5,2017/3/4,2017/3/5,2021/2/24,2021/2/25

<ニセコヒラフ
<<スキー場図鑑