キング第3クワッド

4-CLD/B キング第3クワッド

◆名称 キング第3クワッド
◆許可年月日   2016年(H28)4月20日
◆運輸開始年月日 2016年(H28)12月3日

  1. キロ程    1,312.25 m
  2. 高低差    307.60 m
  3. 支柱数    15 基
  4. 輸送能力   2,400 p/h
  5. 速度     5.0 m/s
  6. 搬器台数   96 台
  7. 搬器モデル  4E98/B
  8. グリップモデル(握索機) DT
  9. 山麓     原動 UNI-G(車庫線)
  10. 山頂     油圧緊張 建屋
  11. 主原動機   -
  12. 予備エンジン -
  13. ロープ径   -
  14. 索道メーカー 日本ケーブル
  15. 回転方向   反時計
  16. 定員     4名
  17. 方式     単線自動循環式(4-CLD/B)
  18. 事業者    ニセコ東急リゾート(株)

【リフト評価】
初心者 :★★☆☆☆
中級者 :★★★★★
上級者 :★★★★☆
パウダー:★★★★☆

1.概要
2016年建設のフード付きクワッドリフト
 キング第3クワッドリフトはアンヌプリ山中腹から疎林地帯を通り森林限界の大斜面までを結ぶ高速リフトです。山頂方面に架かるリフトで雪質も良く,ツリーランも楽しめることから人気のリフトになっています。2016年に高速トリプルから約12億円の総工費を投じフード付きクワッドリフトに架け替えられました。輸送能力は以前の高速トリプルと比べ,時間当たり600人から2400人になり,混雑が緩和されました。また速度も4.0 m/sから5.0 m/sとなり速達性も向上しています。架け替え前は,ヒラフゴンドラから直接滑り込めず悪評でしたが,山麓駅を約170m下部に延伸変更したことにより,ヒラフゴンドラからのアクセスも抜群に向上しました。(詳細⇒4.新旧比較)

④キング第3クワッド
4-CLD/B(日本ケーブル)
1,356.58m/307.60m/2016

チェア搬器

【チェア搬器諸元】
●メーカ  Doppelmayr
●定員   4 名
●製造年  2016年
●モデル  4E98/B
●シート  レザー(黄・黒,橙・紺)

日本初のフード付き高級モデル搬器
 高級感を漂わせるフード付きの搬器は,札幌国際スキー場のエコークワッドリフトと同時期の2017シーズンに日本初上陸しました。以前の日本ケーブルのモデルと比べると振動が軽減され乗り心地も格段に良くなっています。この新しい搬器は,日本ケーブルの技術提携先であるDoppelmayr社の1998年登場の現行モデルで,当初は高級モデルとしての登場でしたが,現在では標準モデルとなっています。日本には15年近くたってからの上陸ということになります。キング第3クワッドのセフティバーを見るとドイツ語(上)と英語(下)で終点でセフティバーを上げてくださいというお決まりの言葉が表記されおり,新モデルはDoppelmayr社(オーストリア)から直輸入している可能性が高いです。

図1.1 キング第3クワッド①(2021)

図1.2 キング第3クワッド②(2021)

図1.3 キング第3クワッド③(2021)

図1.4 キング第3クワッド④(2021)

図1.5 キング第3クワッド⑤(2021)

図1.6 キング第3クワッド⑥(2021)

図1.7 キング第3クワッド⑦(2021)

図1.8 キング第3クワッド⑧(2021)


2.停留所
山麓停留所:(原動)2000年登場(日本では2002年)の新型機械カバー式(UNI-G)と車庫線が建屋になっているタイプ。山麓停留所の色合いは先代のキング第3トリプルを継承しています。
山頂停留所:(油圧緊張)山頂は風の影響を考え建屋方式になっており,出口の着雪防止のため左右に出口があります。

図2.1.1 山麓停留所図2.1.2 山麓停留所図2.1.3 山麓停留所図2.1.4 山麓停留所図2.1.5 山麓停留所

図2.2.1 山頂停留所図2.2.2 山頂停留所図2.2.3 山頂停留所図2.2.4 山頂停留所図2.2.5 山頂停留所


3.乗車風景
路線は,山麓駅を約170m下部に変更したのみで,以前のキング第3トリプルとさほど変わりなく,林間を縫うように登り森林限界の大斜面中腹まで結びます。ニセコで一番標高が高い位置に山頂駅がある高速リフトです。

図3.1 乗車風景(前方2021)①

図3.2 乗車風景(前方2017)②


4.新旧比較
 キング第3クワッドの山麓駅は,キング第3トリプルより山麓駅を約170m下部に変更したので,キング第2クワッドの山頂駅よりも低い位置にあることが図4.1-図4.4でわかります。また,山頂の支柱はキング第3トリプルに比べ高くなっています。風を受けやすい環境下でこのように支柱を高くできるのは技術の進歩ではないでしょうか。以前はキング第3トリプルまでナイター営業をしていたこともあり,コース各所にナイター照明の残骸がありましたが,こちらも架け替えと同時にコースの邪魔になりそうなところは撤去されています。

表 新旧スペック比較
名称
キング第3クワッド
キング第3トリプル
(旧)ニセコ高原第6Cリフト
線路傾斜長
1,356.81 m
1,186.16 m
線路水平長
1,312.25 m
1,143.76 m
高低差
307.60 m
290.35 m
線路両線間隔
5.2 m
4.4 m
搬器出発間隔
6.0 sec
6.0 sec
運転速度
5.0 m/s
4.0 m/s
輸送能力
2,400 p/h
1,800 p/h
搬器定員
4 名
3 名
搬器台数
96 台
108 台
搬器回転方向
反時計
反時計
メーカ
日本ケーブル
東京索道
方式
単線自動循環式
単線自動循環式
運行開始
2016年12月
1985年12月

図4.1 (新)キング第3クワッド

図4.2 (旧)キング第3トリプル

図4.3 (新)キング第3クワッド

図4.4 (旧)キング第3トリプル

図4.5 (新)キング第3クワッド

図4.6 (旧)キング第3トリプル


5.その他
図5.1 運行終了後の搬器収納時の画像。この日はなぜか停留所について一度開いたフードをまた閉じて車庫に搬入してました。停留所内でもフードが閉じたまま押送することが可能ですが,その機能は使われていませんでした。
図5.2 強風運休時の画像。ニセコは風が強くリフト運休も日常茶飯事です。

図5.1 営業終了後車庫搬入

図5.2 強風運休時

●執筆者  索道野郎
●更新日  v1:2021/7/31
●取材日  2017/3/4,2017/3/5,2021/2/24,2021/2/25

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