ニセコ東山ゴンドラ

▼4-MGD ニセコ東山ゴンドラ

◆名称 ニセコ東山ゴンドラ
◆許可年月日   1982年(S57)2月3日
◆運輸開始年月日 1982年(S57)12月15日

  1. キロ程    2,032.72 m
  2. 高低差    626.5 m
  3. 支柱数    21 基
  4. 輸送能力   900 p/h
  5. 速度     3.55 m/s
  6. 搬器台数   92 台
  7. 搬器モデル  CWA(GLACIER)
  8. グリップモデル(握索機) Müller
  9. 山麓     建屋 重錘緊張(車庫線)
  10. 山頂     建屋 原動
  11. 主原動機   275 kW
  12. 索道メーカー 太平索道
  13. 回転方向   反時計
  14. 定員     4名
  15. 方式     単線自動循環式(4-MGD)
  16. 事業者    ニセコビレッジ(株)

1.概要
国内最後の太平-ミューラー提携ゴンドラ
 ニセコ地区最初のゴンドラで,2006シーズンから休止中のゴンドラです。個人的には文化遺産級のゴンドラだと思っているほど,貴重なゴンドラです(言い過ぎ)。太平索道は戦前からある老舗メーカーですが,旅客索道への転換が遅れ,ゴンドラの実績は少ないのが特徴です。欧州のメーカとの技術提携により普通索道(ゴンドラ)に参入し,ミューラーとの提携により4人乗りゴンドラ計4本,スタデリーとの提携により6人乗りゴンドラの実績があります。
【ミューラーとの提携による4人乗りゴンドラの実績】
●妙高杉ノ原ゴンドラ(廃止架け替え)
●八海山ゴンドラ(廃止架け替え)
●白根火山(廃止架け替え廃止)
●ニセコ東山ゴンドラ(休止)
休止中といえども,停留所内には搬器はなく,一部の搬器を芸術作品の材料として提供しているなど実態は廃線に近いです。また,太平索道・ミューラーともに廃業・買収されており,復活は絶望的です。

⑩東山ゴンドラ●
4-MGD(太平索道)
2,033m/627m/1982

ゴンドラ搬器

【ゴンドラ搬器諸元】
●メーカ  CWA
●タイプ  GLACIER(グレッシャー)
●定員   4名
●製造年  1982(S57)年
●外部寸法 幅1,281×長さ1,720×高さ1,740 mm

ニセコ地区初のゴンドラ
 ゴンドラ搬器はCWA製の4人乗りゴンドラで主力だったGLACIERタイプです。開閉扉はスライド式ではなく,パカっと開く外開きタイプ。また,サスペンダーは画像のものは取り外されていますが,古めかしい小径パイプによるトラス型で,現在のゴンドラでは見かけない形状でした。

図1.1 ニセコゴンドラ①

図1.2 ニセコゴンドラ②

図1.3 ニセコゴンドラ③

図1.4 ニセコゴンドラ④

図1.1 ニセコゴンドラ①

図1.2 ニセコゴンドラ②

図1.3 ニセコゴンドラ③

図1.4 ニセコゴンドラ④


2.停留所
 山麓・山頂停留所ともに建屋は薄緑色で,後に完成した雫石第1ゴンドラでも似た雰囲気の建屋でコクド(現:プリンスホテル)ではよくあるスタイルだったと伺えます。山麓停留所は旧メインゲレンデに位置します。山頂停留所は高台に位置していることから,現在水野の沢方面に向かう際は図2.8のようにロープトウで斜面を登り連絡できるようになっています。
現在では山麓停留所内はゴルフカーの置き場となっており,山頂停留所はパトロールセンターの基地になっており,車庫線内に搬器はありません。

図2.1 山麓停留所図2.2 山麓停留所図2.3 山麓停留所図2.4 山麓停留所

図2.5 山麓停留所図2.6 山麓停留所図2.7 山麓停留所図2.8 山麓停留所


3.その他


特徴として現在ではあまり見ることができない完全トラス支柱かつ猫耳型で,支柱との衝突防止のレールが設けられています。また,索輪はプレート式で,太平索道でよく用いられていたタイプです。
DeAGOSTINIから出版されていた鉄道DATA FILE 179に停留所内の様子の写真が載っているのでおすすめです。

●執筆者  索道野郎
●更新日  v1:2021/4/19
●取材日  2016/3/5,2017/3/4,2017/3/5,2021/2/24,2021/2/25

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