◆名称 Village Express
◆許可年月日 2016年(H28)3月31日
◆運輸開始年月日 2016年(H28)12月1日
- キロ程 816 m
- 高低差 約70 m
- 支柱数 8 本
- 輸送能力 1866 p/h
- 速度 5.0 m/s
- 搬器台数 チェア 17 台
- ゴンドラ 17 台
- 搬器メーカ チェア 日本ケーブル(Doppelmayr)
- ゴンドラ CWA SI
- 搬器モデル チェア モデルE(レザーシート)
- ゴンドラ OMEGA Ⅳ SI
- グリップモデル(握索機) DT(=DT108)
- 山麓 UNI-G 緊張?
- 中間 UNI-G 下り線のみ
- 山頂 UNI-G 原動?(車庫線)
- 主原動機 ?
- 索道メーカー 日本ケーブル
- 回転方向 反時計
- 定員 チェア 6名
- ゴンドラ 6名
- 方式 単線自動循環式(6/8-CGD)
- 事業者 ニセコビレッジ(株)
1.概要~日本初のコンビリフト
「ビレッジエクスプレス(鉄道要覧:village express)」はゴンドラとチェアリフトが交互に行き来する日本初登場の方式(=コンビリフト)です。「ビレッジエクスプレス」のような一つの支曳索にゴンドラとチェアリフトが交互に懸垂されているリフトのことを、コンビリフトまたはハイブリットリフトと呼び,欧州では一般的な方式になっています。このコンビリフト(=ハイブリットリフト)は各社様々な名称があり、この方式を初めて製品化したPOMA社は「TeleMix」,日本ケーブルの提携先のDoppelmary社は「Telecombi」「Chondola」などの呼称があります。
ニセコビレッジは開催を目指している2030札幌五輪のアルペンスキー会場に内定しているほど,適度な斜度(平均斜度26°クラス)が連続しているスキー場で,中級者向けのスキー場です。そんなニセコビレッジはマレーシアのYTLが買収したことにより,中国や東南アジアなどの富裕層が多く訪れ,ビギナーでもスノーレジャーが楽しめるゲレンデを確保が課題となっていました。この課題に対して,ヒルトンニセコビレッジ横の閉鎖したゴルフ場跡地を利用して建設されたのがこのビレッジエクスプレスです。リフトの高低差は,長さ816 mに対し70 mほどしかなく,ほぼ平坦な斜面構成になっています。
②ビレッジエクスプレス●
6/10-CGD(日本ケーブル)
816m/70m/2016
日本初のOMEGA Ⅳ SI
ゴンドラ搬器は「ヒラフゴンドラ」「アッパービレッジゴンドラ」で用いられているOMEGA Ⅲシリーズではなく,搬器下部にある受動換気が標準装備(図:❶)されたOMEGA Ⅳ搬器。実は帰宅後にゴンドラ搬器のシーリズの違いに気付いたために,ゴンドラには未乗車で銘板を未確認(情けない)。「ビレッジエクスプレス」のゴンドラは日本でよく見るOMEGAシリーズ(LWI)とは違い,スキー・ボード板を搬器内に持ち込めるように縦長に設計されたゴンドラ搬器(SI)になっています。SIはオプションとして搬器内にスキーラックを追加できるので,搬器下部に出っ張りがあるのが特徴(図:❷)です。搬器内にスキーラックがないので,ドア外にスキーラックがなく(図:❸)スマートな見た目になります。
2.停留所
注目すべきなのは単線自動循環式において日本初の片線(下り線)中間停留所です。中間停留所は町屋建築のコンセプトで作られた商業施設「ショッピング&ダイニングエリア」の横にあり,同化するように中間停留所も町屋建築風デザインになっています。中間停留所は「ザ・グリーンリーフ・ニセコビレッジ(旧館)」の宿泊者が「ショッピング&ダイニングエリア」に行く移動手段として設けられており、それ故「ビレッジエクスプレス」は22時まで運行しています(スキー場営業終了後はゴンドラのみ乗車可)。2021年シーズンは運行していなかったのが悔やまれます。
山麓停留所はゴンドラに乗車する人は向かって左側へ誘導され、チェアリフトに乗る人は通常のリフト同様に乗車します。乗車合図ゲートにとまれ標識があるのが面白いですね(図2.3)。